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小林ゆう

第二回軍団クリスマスにおいて、話題となった声優。W田中は素晴らしいと言っていたが、私は気に入らない。小林ゆうは、とあるサイトでは「2005年もっとも期待できる新人声優」に選ばれたりと、確かに新人とは思えない厚いファン層があるように思われる。小林ゆうの代表作は、ネギまの桜咲刹那。というかこれ以外に知らない人も多いと思う。何故明日菜やのどかに匹敵する刹那役を新人の彼女が射止めることが出来たのかは不明だが、このことにより相当数のファンを増やす。

で、私は思うのだが小林ゆうの声は本当に魅力的だろうか?私にはあの声はかすれているように思えるし、声も一通りしかなく、演技の点でも、どの場面においても一定のトーンで、迫力に欠ける。つまり、私には小林ゆうの声に長所が見出せないのだ。

私が思うに、小林ゆうのファンをひきつける要素はひとえに低い腰と過剰なファンサービスにあるのではなかろうか。彼女は頻繁に「ファンの皆様ありがとうございます」的なことを口にする。そして軍団クリスマスでも書いたように、ファンとのスキンシップも忘れない。握手会や撮影会を盛り込んだ小林ゆうファンの集いをするなど、精力的にファンとの関わりを大事にする。

私はけして酒井香奈子のときのように「これは作り物の性格だ」などと言うつもりはない。それは小林ゆうの天性のものなのだろう。しかし、私は思うのだ。これはあまりに出来すぎた話ではなかろうか?ファンの欲望をここまで忠実に叶えた声優が存在していることに、違和感を感じないだろうか?少なくとも私は感じる。単純に私という人間の器が小さいばかりにこういう人間の存在を受け入れられないだけなのかもしれない。だったらすみません。

おそらくに声優という「偶像(アイドル)」の純粋性をどこまで信じられるかによって、小林ゆうが好きになれるかどうかが決まるのだと思う。私は声優は好きだが、愚かな消費者になるつもりはない。どうしても声優としての実力をないがしろにして、性格を売りにする現在の典型的アイドル声優にはなじめないようだ。思うに小林ゆうは現代声優オタクの踏み絵だ。

W田中が小林ゆうを崇拝する者だと言い出したのが12月。そして年が明けて1月、無如意に会ったときに小林ゆうのファンなんでしょ、と話題を振ったら、「だってあれ、去年のことだし」とあさっりと返されてしまった。声優が消費物であること自体は仕方ないが、現代声優はあまりにサイクルが短すぎるのではないかと感じた瞬間だった。偶像性という商品はどこまでファンの心を捕らえうることが出来るのだろうか?小林ゆうは現代声優の抱える病理そのものを体現しているのかもしれない。

 

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