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第二回軍団クリスマス

2005年、12月、24,25日に開催。参加者、御大、W田中、Y野、神(2日目のみ)。全体の概略としては

・無如意サンタによるプレゼント
・熱烈!激烈!超白熱!!第一回冬の夏武闘(かぶと)祭り!!!!
・メガリスの呪い
・声優イベント「SweetVoice」

となっている。

24日1時、新宿駅集合。どうやらクリスマスは軍団は新宿に集まるのが好きらしい。私は「どうせ誰か遅れてくるんでしょ?」と思っていたので1時ぴったりに行った。やはりゆかりんがいない。どうやら改札を間違えたらしい。しかし、今回は時間無制限勝負や。いくらでも時間はある。

今回の目的は他でもない。日頃おいしいことをして過ごしていた軍団に「無如意サンタ」がプレゼントをあげようというのだ。おいしく生きていればこういうこともある。だから少年、いつまでもピュアな気持ちを忘れてはいけない。

ということでプレゼントを探しに新宿へ乗り出す。今回はY野が「びっ、ビーダマン…。」と言い出したので、ビーダマンを買おうと思う。あと、カブトボーグ。これはウェブコミックが凄い。一昔前にコロコロで連載していたような熱い血潮だけでおもちゃが動く漫画だ。商品もその漫画にけして恥じることがない。電池は一切不用。内部のモーターをちょうどチョロQの要領でひいて、あとはぶつけ合うだけだ。このバトルを公式の説明では「チャージ→バトル→ウィン!!」とシンプルな三段階で説明している。チャージ、バトルは分かるが、ウィン!!は遊び方じゃなくて事実を述べただけだろとか、そういうことは気にしてはいけない。これもカブトボーグの魅力の一つだ。技にも名前があり、「シザーオーバー」「サイドスクリューオーバー」「キャリードロップ」「パワードロップ」と、非常に製作者のセンスが光るネーミングである。

さて、一軒目はビックカメラだ。今回のプレゼントの候補に挙がっていたラジコンに目を付ける。何故ラジコンかというと、Y野の家の地下室、通称「モルゲンレーテ」でレースをするためだ。大きさにして8畳はあろうかというあの空間をそのままにしておくのももったいないのでレース場として使用するという寸法だ。レースをするのに2台は必要なので2台購入。ゆかりんはライダーのラジコンを買おうとしたが、車とバイクじゃ異種格闘戦になりそうなので却下。すまんな。

それとなんとなく気になっていた「騎刃王(きばおう)」を購入。理由はバトルするときの掛け声の「斬撃ファイ!」である。最近のおもちゃのセンスはまさに時代の最先端といったところだ。

サンタさんは私物としてセイザーXのシャークバッシュとシャークナックル、シャークパッド、そして今まで散々買い渋ってきたマジレジェンドを買っていった。そりゃあ無如意サンタだっておもちゃが欲しいのだ。

とりあえずこの店ではこれだけ購入。もちろん全部無如意サンタ持ち。だって、サンタだし。

そして次の店へ。いい感じにカブトボーグが置いてあるではないか。一人一台なので5台購入。カブトボーグは種類も豊富でカスタマイズも自在。流石、あのウェブコミックはダテじゃない。ついにあのグロウアップ!!が実際に体験できる訳だな。

そして何故かウルトラマンフィギュアのコーナーでY野のオタクとしての力を開発するために、ウルトラ怪獣たちの名前当てクイズが始まった。正直私も分からないのばかりだったが、「カネゴン」も知らないY野にはもっとオタクとしての自覚が必要だと感じた。プロデューサーとしての教育不足である。それにしてもゆかりんの特撮知識は驚くものがあるな。ところで、ウルトラマンフィギュアの前でたむろしていた20歳前後の集団は一体チビッコたちにどう映ったのだろうか。

実はここに今回隠された任務がある。それは「クリスマスに大量のおもちゃを購入して紙袋を抱えたいい年したオタク集団の姿を見せ付けて、『おい、あれすごくねぇか!?』と言われるようなチビッコのヒーローになる」ことである。軍団なのだからこれくらいはやらなくてはいけない。そりゃあ手一杯に積まれたおもちゃをレジに持っていくときの我々の姿といったら、優越感の塊のようなものである。

そして次の店へ…と思ったが、思いの外新宿にはおもちゃ屋がない。というか、道に迷った。またしてもこの新宿という町で軍団は力尽きるのだろうか?クリスマスにしてはむごい仕打ちである。しかしそれ故の軍団クリスマス。

どういう道筋を辿ったかは覚えていないがヨドバシに到着。物色するも、目当てのものなし。あれ、おっかしぃなぁ。この前秋葉原のヨドバシでクリスマスの買い物の下見をした時はあれも買おう、これも買おうと胸を躍らせたものなんだけどなぁ。自分内想定ではプレゼントに計4万くらいいく予定なんだけどなぁ。おっかしぃなぁ。

仕方無しに前行った店に戻る。にしてもビーダマンがあまりおいてない。秋葉原にはいっぱいあったのに、これが新宿の限界か…。しかもY野は「ぼっ、僕の知ってるビーダマンは…もっと…強い…はい…。」とか言い出してビーダマン拒否を始める。言いだしっぺの癖に生意気な。どうやらY野にはこの年でもうすでに回顧主義的なところがあるようだ。Y野の事情なんてこの際知ったことではない。もしここで買わなければ、軍団の「ビーダマンを買おうとした気持ち」は何処へ行ってしまうというのだ?ということで無理矢理ビーダマンを購入。今回は各自で購入だが、Y野はゆかりんの分も支払いだ。軍団を失望させようとした報いであろう。

そういえばラグビー部との決戦のために韋駄天翔も買おうとしたが、あまりに貧弱そうなのでやめた。思いっきり走らせようとすると走らないって、どういうことだよ…。

そして、パーティーゲームも必要だろうということで、「怪奇、トイレの花子さん」と「怪奇、口裂け女」だかそんな名前のボードゲームを購入。すまないが、手元にすでに実物がないから名前が分からん。なんでなくなったんだろうね。
この商品はなんと!二つをつなげて一つのゲームに出来るのだ!って、本当につなげるだけやん…。こりゃ人生ゲームクリアしたらモノポリー始めるようなもんやね…。

あと、とにかくなんでもよかったから「電脳迷宮メガリス」を購入。これがまさか、あんな事件に繋がるなんて…。

大体、サンタの私物は別としてプレゼントの費用は1万5千円くらいだった。また来年もよろしくね、サンタさん。

そして、パーティー会場のY野邸へと向かう。一人買い出しに向かわせたY野は帰ってこず、15分くらい寒空の下で放置される。Y野のくせに生意気だぞ。危うく外でチャージ→バトルを始めそうになった頃Y野帰還。

というわけで、個人的には今回のメインとも言える「カブトボーグ」を開ける。うおぉ、これは組み立て式なのか…。Y野の家にはニッパーすらないので仕方なく爪切りで作成。ちょうどいい機会だから言っておくけど、Y野の家はなんでこんなに無い物だらけなんだ?家主として客人を招き入れる気はあるのだろうか?軍団の第二支部なんだからもっとしっかりしてもらわないと困る。

そしてカブトボーグ完成。正直言いますと、カブトボーグでしょんぼり感を味わうために買ったようなものだったのだが、私が浅はかだった。こりゃ面白い。まず、実際に動いているときのカブトボーグは本当にカブトムシのように動くのだ。あのゆくっり力強く動く感じをここまで再現できているカブトボーグに感動。そして手のひらに乗せて動かしてみると、あのムシがごそごそ手をつたっていく感じまでもがするのだ。ホントこれはすごい。小学生の頃林にカブト、クワガタを捕まえに行ったあの頃を少し思い出した。これは現代ホビーの局地だな。就職時期になったらトミー受けます。

個人的にはこれだけで819円の価値はあると思うのだが(俺金出してないし)、バトルさせてみるとなお一層楽しい。シザーオーバーだのなんだの、本当のところ大人が知恵絞って考えたにしては間抜けだなと思っていた。けど、本当に相手の体に角を挟み込み、持ち上げたのだ!ここまでは流石に期待していなかった、遥かに想像を上回っていた。お互い角が絡み合うとその場で力比べとなり、実際に押し出そうとするのなんかは、いい年した自分でも興奮を覚えた。

これだけすばらしいおもちゃをただ遊ぶのは勿体無い。こうして軍団内カブトボーグ〜テレビシリーズ〜が始まったのだった。

主人公はカブトボーグと心を通わせ、友達として接する少年。時代はカブトボーグ全盛期、野生のカブトボーグが繁殖する世界。チビッコたちはみな、思い思いのカブトボーグを持ち寄ってはバトルをしていた。そう主人公もその中の一人。しかし、ある日現れたギラファクワガタを使う謎のカブトボーガーにより、少年はカブトボーガーとしての才能を開花させていく。やがて少年は全国大会を勝ち進み、舞台は世界へと。しかし、少年は知るのだ。カブトボーグを兵器として利用し、人を傷つけ、カブトボーグを道具のように扱う存在があることを。ただカブトボーグで楽しくバトルを出来れば、そう考えていた少年は少しずつ変化していく。これ以上カブトボーグが傷つくところを見たくない。利用され、捨てられるカブトボーグは悲鳴をあげているではないか。少年にとっての世界大会は、一人のカブトボーガーとしてのものから、全てのカブトボーガーのものへと意味を変化させていく。そこに現れた敵は、あのときのギラファ使い。彼の正体は何体ものカブトボーグを破壊してきた「切り裂きギラファ」であった…。激闘の末、ついに勝利を収めた少年であったが、不敵な笑み浮かべ、その闘いを見守るのは、謎の双子。「ねぇ、にいさん。彼なら僕らの暇つぶしになるんじゃないかなぁ?」「そうかもしれないな。」一体彼らの正体は!?まだまだ世界大会は始まったばかりだ。

と、要約すればこんな感じの物語が展開していたんじゃなかろうか。まさかカブトボーグに子安並みのリアクションをとらされるとは、恐るべし…。

カブトボーグを一通りやり終えて、無如意サンタは一時帰還。サンタは忙しいに違いない。

残された御大、ゆかりん、Y野。さて次はラジコンでもするか。……電池が無い。あの四角い電池。完全に油断していた。時間はすでに夜の10時。コンビニにあるはずも無く、ラジコン、万事休す。

次にビーダマン。あれっ、おっかしぃなぁ。僕の時代はビーダマンは組み立て式じゃなかったんだけどなぁ。しかも組み立てるのが難しい…。爪切りじゃ無理だろ…。

なんとかビーダマンは完成したが、誰か、ビーダマンだけで遊ぶ方法って知ってますか?ビーダマン本体しかないから遊びようがない…。ビーダマン、終了。

このへんからY野が寝出す。こっ、こいつ客人をもてなす気あるのかっ!?

だが私はあきらめない。次は騎刃王だ!これはとんでもない高性能で、テーブルとかの切れ目を察知して自動で曲がるのだ。また現代ホビーの最先端を垣間見た感じだ。しかし、面白さは必ずしも性能に比例するとも限らない。言ってしまえば騎刃王は全自動。人間が出来ることは、電源を入れて地面に騎刃王を置くことだけだ。あとは勝手にカクカク曲がりながら、対戦する。このときの気持ちはさながら対戦格闘の観戦モードのようだ。とても無力で、空しいのだ。結局遊び方としては寝ているY野に騎刃王を突っ込ませるあたりで落ち着いた。

この時点で、二人でボードゲームは無理、セイザーXとマジレジェンドは無如意がお持ち帰り。残されたのはメガリスのみ…。そして軍団は電脳迷宮へと一歩を踏み出す…。

こっ、これは、子供だましですね……。限界だろ……。初めは一瞬だけ楽しかったが、すぐ飽きた。5分は持たなかった。結局、メガリスを分解するということで話は落ち着いたが、メガリスの秘宝に触れようとした我々が甘かった。どうやっても開かない…最終的に「無如意が明日Y野邸に来たときに入り口の前に捨ててあったらおいしい。」ということになり、朝になったら捨てることにした。

万策尽きる。もう寝る。

 

後編に続く

 

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