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第一回軍団クリスマス

2004年、12月24、25日に開催。参加者、御大、W田中。全体の概略としては

・ハッピーレッスンのイベント
・クリスマスケーキ入刀
・秋葉原徘徊
・メイド喫茶

となっている。

確か一度無如意邸集合の後に、イベントのため新宿へ向かう。正直、このときのコンセプトは「なんかクリスマスにオタク達だけで集まってオタクっぽいことするの痛々しくておいしいじゃないですか」だったと思うので、イベント自体は何でも良かった。クリスマスイブの夜、あまり大きすぎないイベントだったら何でもよかった。ハピレスならまぁ、知っていたし、私はOP歌ってるジョニフィのファンみたいなもんだったし、それに理由はよく分からないが「こやまきみこは調子乗っている。その限界ぶりがクリスマスにはこっけいではなかろう」とかそんな動機があったと思う。

迷った。新宿で迷うのは軍団のお約束になろうとはこの時はまだ知る由もなかったが、とにかく迷ったのだ。だって、この時はライブハウスなんて行ったこと無かったし、まさか地下にあるなんて思いもよらんかった。あきらかに怪しいバーの様相を呈していたし、「あれ、これなんか場違いじゃねぇ?」的な空気がおのずと軍団を遠ざけていたに違いない。それにしてもあの手の場所はどうして「誰のライブを見に来ましたか?」と入り口で聞くのだろう。「きみきみです。」と言ってやればよかった。

中はもっと異様、というか今まで何百人規模のイベントしか行ったことなかったから百人未満の人数を狭い場所に閉じ込める感じがどうもなじめんかった。正直むりっぽいと思ったが、無理であれば無理であるほど軍団クリスマスは盛り上がるのだから、むしろ歓迎すべきだ。

イベントが始まる。司会進行がライブハウスの人で、やたらオタクをネタに煽ってくる。クリスマスイブにこれだけ屈辱を受けることも珍しかろう。軍団クリスマス度がアップ。その後ジョニフィの歌。特に問題なくよかったと思う。周りは静かに聴いているが、ゆかりんだけペンライトを振っていたのが印象的だった。目立ってこそ軍団だ。

待望のこやまきみこ(と相方の笹島かほる)の登場。私は間違っていたと気づかされる。こやまきみこから放たれる圧倒的声優オーラ!ただ調子に乗ってるだけでなく、ファンを巻き込んだ煽りの上手さ。あの場所にいた時だけは確かに自分もファンになっていたような気もしなくはない。てか、周りの奴ら、さっきまでとテンションちげぇ。あっ、あんたら、きっ、きみきみを見にきたんかっ!?

無如意と「きみきみの出待ちをしよう」と相談するうちに後半戦。たしかグレイスとかいう連中だったろうか。関西人らしいが、イベント中無茶苦茶なれなれしかった。きっと当人も崖っぷちで必死だったに違いない。(事実、その後グレイスの活動を耳にしない)私の目の前の人間がグレイスに突然頭を撫でられて、ひいていたのが今でも忘れられない。休憩時間もグレイスはファンと話続けていた。ライブ終わった後もグレイスはアンケートを配り続けていた。

その後はまたジョニフィの歌で終了。きみきみは、早々に帰ってしまったらしくいなかった。出待ち失敗。

帰り道、もう10時くらいだったろうか、あたりは真っ暗でどの道から来たのかさっぱり分からなかった。とりあえず思うが方向に進み続けた。そのときはただ帰ることだけを考えていて、周りの異変に気づかなかったのだ。そう、我々が入り込んでしまった場所は俗に言う「歌舞伎町」である。東京の道はなんて不親切なんだろう。私の地元の埼玉ならこんなことは絶対にありえない。

軍団を取り囲む客引きの群れ。ここまで生命の危機を感じた経験はそうそうない。あ、あれもしかして僕らに話しかけてるんですか?かっ、勘弁してくれ!走って逃げるのも不自然だから足早に歩き、この状況を脱することを試みる。

次の瞬間、肩をつかまれた。「リーダー、リーダァーっ!この店どうですか!」

……無理だろ……。

もうよく分からんが、とりあえず無視して逃げるしかねぇだろ。無視をするも果敢に攻めてくる相手
「あれぇ?もしかして、もうお店決めちゃってるんですか、リーダー?」
……だれがリーダーだ。俺はプロデューサーだ。それっぽい演技で「おい田中、こっちだぞ、こっち」と、もう行く場所が決まってるように装う。

そして、軍団は客引きから逃げ切った。客引きよか軍団が勝利したのだ。パンピーなんて目じゃねぇぞ。
たっ、楽しいなあ、おい!

帰りにケーキを入手しようとするが、そもそもこんな時間にどこでケーキを?おっと、コンビニに運よくせぇんぇんのクリスマスケーキが一つ残ってるじゃありませんか。軍団は修羅場を乗り越えた。男三人でイブの夜、売れ残りのケーキをレジに持っていくくらいでは全く動じない。流石軍団。

そのケーキはすごくもそもそしていたように記憶している。

 

翌朝、クリスマスと言えば秋葉原だろ。なにも目的も理由もないがとりあえず秋葉原に行ってみる。ま、なんの目的もなしに来てもやることないっすね。とりあえず痛々しいことということで、メイド喫茶に行ってみるが、どうやら秋葉原は芸人の町らしい。どこのメイド喫茶もオタクで溢れていた。そんなことをするのは軍団だけでいい…。

仕方ないから、昨日のイベントの司会進行が話のネタで言ってた「ドンキホーテのメイド喫茶」に行ってみる。一応断っておくが、メイド喫茶は軍団の全くの管轄外である。店のことなんてよく分からない。

ドンキホーテに来てみたが、客が全くいない。むしろ不自然だ。でも、ここしかないし、座ってみる。何故かメイドがカウンター越しに対面して、軍団に話しかけてくる。あれ、おっかしぃなぁ。前ぽじてぶ氏と行ったメイド喫茶はこんなに話しかけてこなかったんだけどなぁ。なぜかメイドは軍団のここに来た目的をやたら知ろうとしてくるのではっきりと「クリスマスでどれだけオタクとして痛々しいことが出来るか、試しに来た。」と言った。あの時メイドの発した、肺から空気が漏れたようなかすれた笑いは何だったのだろう?

そうこうしてるうちにゆかりんはゆかりん(本物の)のイベントに行くと言って別れた。
残された私と無如意。
「もう帰るか…。」
こうして第一回軍団クリスマスは終わった。

 

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